多くを語らずとも、技術で信頼される

惇志 | 2年目
THE LAST STORE® 職人

強い人、強い場所が好き

まずは、ラストストアとの出会いから教えてください。

もともと別のメガネ屋で働いていて、ソラックザーデ自体はインスタで知っていました。

3年ほど前に、ラストストアが阪急百貨店でイベントをしていたとき、たまたま通りがかって。「あれ、ここってそういえば……」みたいな感じで足を止めたときに、龍允さんとリコさんに声をかけてもらって、実際に眼鏡を1本買わせてもらったのが最初ですね。

正直、あの体験が忘れられなくて。「あ、ここで働きたいな」って思いました。

経験を活かして職人へ

現在の具体的な仕事内容を教えてください。

前のメガネ屋では5年半勤めていて、「眼鏡の専門技術」が備わっていることを買っていただき、ラストストアでは「眼鏡の経験者」として入らせてもらいました。

僕の役割は、大きく分けると3つあります。

1つ目が視力測定。

2つ目が眼鏡のフィッティング。ゲストが選ばれたメガネを、その方の顔に合わせて調整します。

3つ目が加工ですね。「レンズ加工」「修理加工」の他に「鼻盛り」と呼ばれる加工があります。

ヴィンテージのメガネは、当時の海外向けに作られているものが多いので、鼻パッドが元々付いていなかったり、小さくて低いパッドが付いていることが多いんですね。

そこで「鼻盛り」という作業をするんですが、まずは付いているパッドを削って、高さのあるパッドに付け替え、アジア人でもかけやすくなるようにしています。

加工の仕事には、どんな面白さがありますか。

前の会社だと、外注から上がってきたものをチェックして終わり、という感じでした。

でも今は、自分で削って、調整していく中で、「あ、こういう構造になってるんや」とか、メガネそのものを深く理解できるんですよね。それに、シンプルに技術力が上がっていく実感があるのは、すごく嬉しいです。

顔の形も人それぞれですし、レギュラー品もあれば、構造が複雑な昔のメガネもある。なので、本当に日々研究ですね。

自分の仕事として動くこと

前職と比べて、働く環境やカルチャーの違いは感じますか?

全然違いますね。前の会社は規模が大きくて、本部と店舗の役割がはっきり分かれていました。
だから、正直なところ、指示を待っていたら何とかなる部分もあった。

でも、ラストストアは組織の規模が小さい分、一人ひとりが「これは自分の仕事」と思って動かないと何も前に進まない。最初はそこが大変でした。

その大変さとはどう向き合っているんでしょうか?

一人にかかるタスクは、確実に増えます。イベントのときなんかは本当にパンパンですし、前は本部がやってくれていたことも、自分たちでやらないといけない。

でも、その分、自分の視野がどんどん広がっていくんですよね。ただ店頭に立って接客するだけじゃなくて、店そのものを作り上げている感覚がある。

責任も増えますけど、できることも増えるし、見える景色も変わる。そこが一番楽しいところですね。

多くを語らずとも、技術で信頼は伝わる

これまでの仕事の中で、特に心に残っているエピソードはありますか?

そうですね。僕はスタイリストというより、職人・技術者の立場なので、やっぱりそういう部分で「信頼してもらえた」と感じた瞬間は嬉しいです。

フィッティングを担当させてもらったゲストが、 「次も惇志さんにお願いしたいです」って連絡をくださることがあって。そういうのはすごく心に残っていますね。

それは嬉しいですね。

どうしても、表に立つスタイリストの方にスポットライトが当たりがちだと思うんですけど、それでもちゃんとこっち側を見てくれるゲストがいるんやな、って。

そんなに多くを語らなくても、フィッティングや技術を通して共鳴してくれるというか。それは、職人としてすごく嬉しいことですね。僕自身、接客が嫌いなわけではないんですけど、それ以上に、技術で信頼を得られるというのは、本当にやりがいがあります。

ラストストアのゲストとの関係性については、どう感じていますか?

前の職場では「お客様」って呼んでいたんですけど、ここではそういう言い方をしないですよね。

店員とお客さんみたいな関係じゃなくて、その人をちゃんと良くしたいっていう気持ちで、僕らは向き合っている。そうすると、自然と向こうもリスペクトを示してくれるし、僕らもリスペクトを持って接する。

すごくいい関係性やな、と思っています。

だからこそ、求められるレベルも高いですし、責任もある。でも、それも含めて、ちゃんと任せてもらっているという感覚がありますね。感謝もありますし、責任を持ってやらせてもらっている、という感じです。

職人が向いている人とは

今後の目標について教えてください。

まずは、制作に携わることですね。ヴィンテージの眼鏡ではなく、ブランドオリジナルのメガネ作りです。

今は制作を竜さん率いる東京(SOLAKZADE®︎)のアトリエメンバーが担っているので、僕はいまは店舗での職人です。

まだ制作チームには入れていないので、自分でメガネを一から作れるようになりたい。それができるようになったら、職人としてもう一段、レベルが上がると思っています。今の一番の目標ですね。

最後に、THE LAST STORE®︎の職人に向いているのは、どんな人だと思いますか?

まずは、やっぱり物が好きな人ですね。メガネが好き、ヴィンテージが好き、というのは大事やと思います。

よく「器用じゃないと無理ですか?」って聞かれるんですけど、僕自身、全然器用な方じゃないです。それよりも、好きで、追求し続けられるかどうか。

そういう意味では、オタク気質な人が向いてると思いますね。